女性のためのビリヤードガイド
私がビリヤードを始めた頃のおはなし
私がビリヤードを始めた頃のおはなし
はじめに
こんにちは。手球子、39才、現在二児の母です。
夫と共に過酷な自営業を営みながら、現在は体力がある日(残ってる日)にビリヤードをしに行ってます。
Billiard GIRLを通じて、ビリヤードの世界の昔と今、切っても切り離せない、男と女と球。
メジャースポーツにはない、独特の世界観や人間模様。
極 個人的な視点になるかもしれませんが。
時にはプレイヤーとしても、球を純粋に楽しむ人間としても、ビリヤードをあらゆる部分から書いていきたいと思います。
さて、一段目。
私がビリヤードを始めた理由
たまに思いませんか? 華奢な体に大きいキューケースかつぐ女の子を見て。
「どうして、ビリヤード始めたの?」と。
ちなみに、女性のビリヤードを始めるきっかけの半数はこれです。
彼氏がビリヤードをやっていた説。
当時、私は20才。
付き合って間もない彼がB級で、やたらとビリヤードに一緒に行こうとしつこかったのがきっかけです。
その頃最初に行ったのが、カラオケが二階に、一階ワンフロアがビリヤード場という遊技場。
嫌々行くと、近くの大学生が店員さんと一緒になって、四人撞きをしている様子や、男二人に女の子二人のビリヤードデート、男のみでゲームをしているのが見えるが。
面白くなさそう(´д`)
が最初の感想。
眺めていれば、女子と男子のビリヤードデートでは、ミニスカートにブーツの女の子が「えええ~、なにいい~、どれを入れるの?どこにぃ?」といい、男の子が「見たらわかるだろ? こっちからだって。もっとほら、、握って、えい! ってやるんだよ」
聞こえてくるすべてが 下ネタに聞こえ。´д`)
その女の子のミニスカを花台で四人撞きのモテなさそ~なギラギラ大学生ビリヤード男たちが
「ちらっちら ちらっちら」
見て、見て、見てる、 スキに
なにかが起こり(多分5とか9が入った)、 「おおおおいい!!!」とか言っている。
さらに、聞こえてくる男子たちの会話はというと・・・。
「お前隠れてんじゃねえか!」
「ねえ、、ねえねえねえ!! あ~!!! フロックこらあ!!」
と、意味不明の言葉が続き、突然数人が、「うおおおお!!」とか叫ぶので
びくぅうぅっぅう!!(|||´Д`) と一般客はなる。
そのときの視線の集まりすら、誇らしげに思える、隠れ目立ちたがリや集団。
どうみてもオタク、的な人ばかりに見える上に、女の子に教えてる男たちの様がナルシスト。
そう。
ビリヤードする人はみんなナルシストに見えたのです。
降臨したフォロー
だから、2回目も3回目も「ちょっと行こうよ」と言われたものの、私はもう、ビリヤードなんてやりたくない。
とりあえず、「待っていてあげるから、私は絵でも描いてるわ」と、当時美術専門学校に通っていたので、ビリヤードする人のスケッチをしだす始末でした。
そんな私に、物腰の柔らかい店員さんがやってきて「一緒に良かったらやってみませんか?」とある日声をかけてきた。
「少し球が入ると楽しくなるかもしれませんよ」と。
「そうですか・・・?」と、なんとなく。
ハウスキューの握り方や、ブリッジの組み方を習い、センタースポットに手球。
サイドポケットに的球を置き、まずは短いまっすぐな球を入れるところからスタート。
そして、角度がついた球はどう入れるかというと、イメージボールを置かれて「ポケットに対して的球の中央を線で結び
真後ろにボールがあるのをイメージしましょう」と教えてもらう。
なるほど。イメージボールか!
妄想力には自信があった私は、基本のフォームと、イメージボール、肘の位置固定というもののみで、とりつかれたようにそれからボールを入れることに夢中になりだし、球が入らなければ、「くそ!」と一人でプチ切れ。
そしてドップリとハマり通う
私自身の奥底で眠っていた異常な負けず嫌いの炎が、めらめらと燃えだしたのもつかの間、夜中天井を見つめると、天井の角がポケットに見えはじめて、そこに、空想で的球と手球を描くようになりだしたころには、一人で練習しに行くようになっていたのです。
3ヶ月後には、センターショットのストップショットができるように。
毎日ビリヤードをしに行く私を見かねて、彼が「手球ちゃん、そろそろキュー買ったらどう?」と言ってくるように。
当時、ビリヤード雑誌をひらくと、アリソンフィッシャーが、広告塔になっていたのが『キューテック』。
シンプルなデザインがいい!! と思っていた私には、もう一目惚れの一本。
値段も学生でも買える範囲で、即決したのでした。
就職で最初のブランク~復帰
しかし、その直後。
就職氷河期の中やっとの思いで「安定している」と評判の印刷会社に内定。
そこがまた、コテコテのブラック会社でプライベートの時間が全然持てなくなり、『毎日ビリヤード生活』から遠退くことになるのです。
一年すぎて、心身ともに疲れはて、会社を辞めてしまった私にはなにもなく。
会社という世界にまた面接に行く元気もありませんでした。
ふと、無料配布のアルバイト雑誌を見ている時に近くの漫画喫茶やカラオケやビリヤードがある遊技場でスタッフ募集中なのを発見。
すでに、そのときにはその遊技場で球の練習に行き、
店員さんや、ビリヤードの腕前はA級でアドバイスをくれる店長さんとは顔馴染みでありました。
思いきって面接に行くと数日後、採用の連絡をいただけたのです。
思えば、この時に採用してくださった遊技場の店長さんとの出会いが、さらなる、ビリヤードへの世界に深く足を踏み入れるきっかけだったように思います。
周囲と環境に支えられて
ビリヤードを始めるきっかけは様々。
でも深く、入り込むかどうか、のめり込むほど夢中になるには、自身の異常な負けず嫌いという性格とプライドの高さ。
そして、初心者をあたたかく迎える上級者の優しさと、根気。
そこには、けして男も女も年齢もなく純粋に「楽しいよ」と教えてくれるサポートだったようにおもいます。
女性がビリヤードを始めるきっかけは、(結果)元彼が多いけど、上達させてくれるものはあらゆる環境と人々。
今も、私と初めて会っても、何度も会っていても、快く相撞きしてくださるプレイヤーの方々には感謝です。
純粋にビリヤードが楽しい今
普段の私は仕事も家庭もプライベートもたくさん抱えていて時間も少ない。
でも、体力に余裕があれば今もビリヤード場に行っている。
静かな店内で、緑のラシャの上にツルツルのカラーボールを見ると、そこでは自分一人。
何も抱えず、キューだけを持ちただ、一人の 人として
目の前の球に責任を負い、戦うことができる。
誰にも踏み込むことができない、世界を持つことができるから。
純粋に楽しい。
今は、その時間が愛しい世代にきたのかなと思うようになりました。
自己紹介をかねて、ビリヤードのきっかけを書かせていただきました。
これからも、自分の思い出を織り混ぜながらあらゆるビリヤードをかっさばいて、語りたいと思います。(^-^)
手球子。
- 2019年11月30日(土) 19:48 by Billiard GIRL