「玉突き事故、使わないで」申し入れ
日本ビリヤード振興親交進行委員会(振親進)は、報道各社に向けて「玉突き事故という言葉を使わないで」と申し入れを行ったことを発表した。
こうした例は、2001年に日本将棋連盟が「将棋倒しの表現を利用しない様」に要望を出して、その後は「折り重なる様に倒れる」と表現を切り替えたケースがある。
当時、将棋連盟は「将棋のイメージが悪くなるから」と理由を述べていたが、将棋倒しという言葉を嫌って将棋や将棋愛好家を避ける例は皆無だったため、世間では「それならドミノ倒しにしちゃえばよくね?」といった意見が交わされていた。
将棋の例と同様に「玉突き事故という言葉によってビリヤードのイメージが悪くなっているとは思わない」という意見が多数を占める中、なぜこのような申し入れを行ったのか、ふーるぷーる社は振親進の幹部に直撃取材を試みた。
「まず『玉突き事故』という表現には2つの誤りがあります。1つは『玉突き』は誤りで『球撞き』が正しいという点。確かに言葉が出来た当時は『玉突き』が誤用でなかった可能性がありますが、ビリヤードがスポーツとして、“球”技として認められた現在の正しい漢字表記は撞球と定められていますので「球を撞く」が正解となります。
次に車の追突多重事故という点では、『コンビネーションショット事故』と表現するのが適切であると我々は認識しています。最初に追突した車が隣の車線にはみ出るなどして複数の車に衝突した場合は『キャノンショット事故』。これが正しく状況を伝える表現であると。本会の第一の要望は『コンビネーションショット事故』と『キャノンショット事故』に変更していただくことです」(振親進幹部)

「ねえ、パパ。キャノンショット事故ってどういう意味?」
「それはね、うーん、説明するより見せた方が早いからビリヤードをしに行こう」
なるほど、これは振興につながる申し入れだ。
などということはなく、報道にはスペースも時間も限られた中にいかに情報を要約するかがポイント。
球撞き事故への表記訂正はともかく、コンビネーションショット事故やキャノンショット事故では見出しにも収まらない。
これらの名称が新聞に用いられるのは、今回の紹介記事がおそらく最初で最後。