OKのガイドライン制定へ
「部長、OKです。またパーですね。さすがッス!」
打たなくても、そのパットは絶対に入りますから。
ゴルフにおける『OK』は、まさに忖度の文化。
こうして部長はスコアを伸ばし、取り引き会社は売り上げを伸ばしてゆく。

一方、ビリヤードにおける『OK』には、時間短縮の意味合いが大きい。
ビリヤードに接待文化が広がればゴルフと同様のケースも増えるだろうが、現状は忖度の要素は皆無。
「その球は100%決まるでしょうから、さっさと次のラックに入ってください」
そんな思いでゲームの進行を促すのがビリヤード版OKの本質だろう。
ゴルフとの違いは公式戦でもOKが認められる点。
人間のやる事に成功率100%はないのだが、ビリヤードで容認されるのは、OKを出す側である相手選手以外に不利益を被るプレイヤーがいないという点が主な理由だ。
ただしトーナメントにおける決勝戦だけは、『ゲームボールを入れる』→『ガッツポーズを決める』という一連の流れに対して、カメラマンが最大で最高のシャッターチャンスとして待ち構えているので、OKはタブーとされている。(実話)
そんな中、本紙はビリヤードにおけるOK否定派武装勢力が活発化しているという情報を入手した。
「人間のする事に100%などあり得ない。撞き手には撞く義務があり、同時に撞く権利を有する」
という完全な理論武装で、各地で紛争を起こしているという。
一方、OK推進派も活動をエスカレートさせる傾向にある。
「この配置は7番にポジションした時点でOK」
「あのクラスならブレイク後の配置次第でOK」
ゲーム時間は短縮するが、撞く回数が減ってしまい、その様は将棋の感想戦さながらに。
この対立が長引くと、史上最悪の対立構造「フロック謝罪派vs謝罪不要派」の30年抗争の二の舞になりかねないと、関係者は「撞球ヒアリング」を行って、OKのガイドラインを制定することを決めた。
ヒアリング期間は2018年12月末まで。
投稿の際はハッシュタグ『#撞球ヒアリング』を添えることをお忘れなく。